松任谷由実 TIME MACHINE TOUR に行ってきました
2018.12.19
埼玉スーパーアリーナで行われました。



私がユーミンの存在を知ったのは1974年の8月。TBSラジオのパックインミュージック、パーソナリティーは林美雄でした。ゲストとして松任谷由実と石川セリが出演していました。このとき松任谷由実は20歳、石川セリは21歳で、ユーミンはまだ大学生だったわけです。

当時はふたりとも無名でしたが、両者の曲に衝撃を受けて、この放送が私の志向がポピュラー音楽に向かっていくきっかけとなりました。ただ、私の興味が高校からジャズ中心に移ってしまったため、ユーミンのコンサートには行ったことがありませんでした。

座席の背に変なものが取り付けられていました。このまま座ると背中がグリグリします。一緒に行った家内に

「これは腕にはめるものよ。説明が書いてあるでしょ」

と言われてしまいました。確かに、入場したときの配布物に説明がありました。



会場はセンターステージです。ステージには4本の鉄骨のように見える柱があり、そこに歯車のようなオブジェが付いていました。このステージは見たことがあります。そうです。「ジキソー未だ修行中」のときとおそらく同じものです。装飾品は違いますが。

会場を見回すと、モニタがありません。私はオペラグラスは持たない主義なので、これではユーミンの顔が見えません。しかし、コンサートが始まるとその謎が解けることになります。

18時30分から開始です。まず舞台の周り(アリーナ席と同じ高さの床)を泥棒のような人影が怪しい動作で一周します。その後曲が始まりました。セットリストは以下のようでした。

1. ベルベット・イースター
2. Happy Birthday to You ~ヴィーナスの誕生
3. 砂の惑星
4. WANDERERS
5. ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ
6. 守ってあげたい
7. Hello, my friend
8. かんらん車
9. 輪舞曲
10. 夕涼み
11. 春よ、来い
12. Cowgirl Blues
13. もう愛は始まらない
14. CARRY ON
15. セシルの週末
16. ハートブレイク
17. 結婚ルーレット
18. 月曜日のロボット
19. ダイアモンドダストが消えぬまに
20. 不思議な体験
21. Nobody Else
22. ESPER
23. COBALT HOUR
24. 宇宙図書館

アンコール

1. カンナ8号線
2. DESTINY
3. アンコール
4. ひこうき雲
5. やさしさに包まれたなら

照明が目まぐるしく動き、色が変わり、点滅します。そして舞台に垂れ下がる薄い膜にはプロジェクションマッピングが映し出されます。照明を中心とした演出なので、モニタは邪魔なのです。

腕につけた装置も派手に色を変え、点滅します。AKBグループのコンサートですとペンライトの色を変えたり点灯したりするのはファンの役割ですが、ここでは電波による司令で自動的に行われます。点滅する場合は周波数が早いので、光過敏性てんかんを持つ人は注意が必要です。

ユーミンは何曲がごとに衣装を取り替えますが、こちらもド派手でした。

ユーミン自体は歌が下手だと言われています。私が昔聴いた生中継のコンサートでは音程が外れまくりでした(「北原ダイヤモンド」みたいな感じ)。しかし、今回は音程はきちんと合っていました。口パクかどうかは顔が見えないので確認のしようがありません。音を長く伸ばさない傾向がありましたので、ひょっとしたら生歌かもしれません。

MCのときはファンがひとことひとことに拍手をしてくれます。優しいファンが多いようです。些細な話でも拍手が来るので、AKBグループとはだいぶ違うなと感じました。

いわゆるニューミュージックはロック系とフォーク系に別れますが、ユーミンは明らかにロック系だと改めて感じました。アレンジははっぴいえんどなどから影響を受けていますから、当然といえば当然でしょう。

コンサートの時間はアンコールも含めて2時間40分ほど。AKBとは全く違う世界を堪能することができました。それにしても私のようにAKBもユーミンも聴く人間というのはどのくらいいるのでしょうか?
2018.12.19 22:13 | 固定リンク | 音楽 | コメント (0)
中丸三千繪コンサートに行ってきました
2018.11.02
場所はトッパンホール。ピアノは安達朋博さんでした。

正直に言います。最後までなにかぱっとしない、という違和感が残りました。もちろん技術的にも芸術的にも素晴らしいのです。それはわかっています。ピアノもずっと中丸さんとやっておられる方ですし、「合ってない」わけでもありません。

おそらく、中丸さんはオペラ向きなのです。オーケストラをバックにした演奏のほうが遥かに映えます。ピアノ1台をバックに小品を次々に歌っていく形は向かないのです。それであれば森麻季さんのほうがはるかに適任です。

このコンサートはロビーでコーヒー飲み放題で、お土産にアイスコーヒーの素?がついていました。ネッスルがスポンサーだからです。

途中の1曲で、中丸さんが舞台袖から客席に降りてきて歌いました。これは驚くべきことではないでしょうか。思わず川栄李奈さんや入山杏奈さんを思い出しました。AKBとは比べ物にならない世界の大スターなのに、警備が非常に手薄なのです。ひょっとしたら客に紛れて警備員が居るのかも知れませんが。そもそも中丸さんは超大金持ちで、世界中に別荘としてお城を持っているのですから。

客層は女性が多かったです。どんなに若くても30代〜40代以上。これらの比較的若い世代はおそらくファンクラブに入っているような人たち。あとはクラシックのコンサートにありがちな、年寄りばかりでした。

昨今は若者のクラシック離れが続いています。仕方ないと思います。たいした工夫もなく江戸時代から大正期まで作られた曲を延々をやっているのですから。曲そのものが面白いわけでもありませんし、聴いていて何のワクワク感も出てきません。

1980年代と記憶していますが、イギリスの舞台演出家が「リゴレット」を現代のマフィアに置き換えて演奏した舞台があり、連日押すな押すなの大盛況だったそうです。この演出家はもともと医師で、この成功によって今後医療に戻ることはないだろうとまで言われていました。この例のように関係者たちが今までとは違う何かを工夫していかないと、クラシックは衰退の道をたどることでしょう。
2018.11.02 22:34 | 固定リンク | 音楽 | コメント (0)
調性について
2018.10.31
調性(キー)の違いからくる曲の印象の違いは楽器の影響もあるかも知れませんが、究極には人間の脳の問題です。

調性は曲の印象と関係があるのでしょうか?ここで言う調性は短調・長調などのモード・スケールのことではなく、キー、すなわち基音の周波数のことです。

クラシック畑の人は調性によって曲の性格や印象が大きく変わると言います。私が子供の頃読んだ本ではベートーヴェンは変ロ長調を黒で表したと書いてありました。現代でも、ハ長調は白だとか、変ホ長調はピンクだとか言う人がいます。ネットで「調性 色」で検索すると、この手の話がたくさん見つかります。そして、色で表せるくらいの違いがあるのだから、調性には重要な意味があるのだ、という人が多くいます。

私もはじめはそう思い込んでいました。私は子供の頃ピアノを習っていたのですが、ハ長調に対しては白・標準・平明というような印象があり、シャープ系の調は明るく元気な感じ、フラット系の調は柔らかい感じを受けていました。

また、1975年ごろの松任谷由実(当時は荒井由実でした)の曲を集めた本には「ピアノの変ホ長調は美しい響きがある」と書かれていました。なお、書いたのはその本の著者であり、松任谷由実さん本人ではありません。

しかしその後、私の中で、調性にはそのような意味が本当にあるのか?という疑問が生じてきました。

ひとつは、30代でデスクトップミュージックを始めたときです。コンピューターが音を作るわけですが、周波数は設定でいくらでも変えることができるのです。真ん中の A を 440Hz ではなくだんだん上げてみる。そうなるとたとえば A major と B♭ major はそんなに印象に差がないことがわかります。

もうひとつは40代、50代になって絶対音感がおかしくなってきてからのことです。私には真の意味の絶対音感はありませんが、音を聞けばこれは C だな、とか、G だな、とだいたいわかったものです。しかし年をとると C に聞こえていても実は実際は B♭だったということが頻繁に起こってきたのです。アタマの中で音を鳴らしてみて「Cだな」と思っても、実際は B♭なのです。そうなると、調性になんの意味があるのか、とますます思えてしまうのです。自分の中で「白・標準・平明」の印象であった音が実際の楽器を鳴らすと B♭ で、それが「白・標準・平明」の響きに聞こえるのです。

調性によって印象が変わる理由を、うるさい人達は楽器の性質で言い表そうとします。たとえば管楽器は♭系の調が演奏しやすいのでその調だと演奏しやすくなりスムーズな演奏になる。♯系の調だと演奏しにくいので緊張感が出る。弦楽器は#系で演奏しやすいので#系の曲だと開放弦が使えることもあり、スムーズな演奏になる。♭系は難しいの緊張感のある演奏になる。

それならば、ピストンをすべて開放したときにC音が出るトランペットを作ると、曲から受ける印象が全く変わってくる、ということになりますね。じっさいベートーヴェンのぐらいの時代までは基音が異なる数種類のトランペットがあって使い分けていたようです。それが面倒なのでピストン付きのものが出てきたわけですが。このあたりは実験してみないとわかりません。

余談ですが、ブルーノ・ワルターがあるオーケストラにモーツァルトの交響曲の指揮を任されていたときに、そのオーケストラの演奏を聞いてぶっ飛んだそうです。「モーツァルトに開放弦を使わせるとはナニゴトか!」と。前任者がそうさせていたのです。ま、私もギターやベースを弾くときはできるだけ開放弦は使わないようにしています。音がコントロールできなくなるので。開放弦を使うよう指示してある曲も世の中にはあるのかも知れませんが。

ピアノはいっけんシャープ系の楽器に見えますが、弦を叩くハンマーや弦そのものは均等に並んでいます。ですので、物理学的に測定してみれば、黒鍵だろうと白鍵だろうと周波数が異なるだけで同じような音が出るわけです。「演奏が難しい調だと緊張感が出る」という可能性はありますが、プロの演奏家はどのような調でも同じように演奏できるように基礎トレーニングをしているので、矛盾した言い方だなと思います。ハノン教則本をやった人なら理解できるはずです。

いずれにしろ、生楽器による音は、スペクトラム解析などの手法での研究が必要だろうと考えます。

現在のところ、調性というのは意味がないのではないかというのが私の考え方です。おそらく私の脳の老化によって絶対音感が失われた。それによって調性の感覚が崩壊した。そこから調性に対する認識が大きく変わったことだけは事実です。
2018.10.31 15:32 | 固定リンク | 音楽 | コメント (0)

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